四万やまぐち館には2つの大露天風呂と室内の大浴場が1つ、それに貸切展望露天風呂が4つある。
さらには露天風呂付客室なるものもあるらしい。
我々の宿泊する部屋には露天風呂は付いていないので、大露天風呂へ行く。
大露天風呂は時間で男性と女性の風呂が入れ替わる。
19時半までは男性が四万の湯で、女性がお題目の湯である。
四万の湯は四万川に面していて、渓流を眺めながら入れる露天風呂だ。
お湯に浸かってみると、最高に気分が良い。
運転の疲れがドッと癒えた。
四万温泉は古くからの温泉郷で、その泉質は「4万の病に効く」ものだと言われている。
4万の病とは驚きだ。
私なんかは、切り傷、打撲、風邪、過敏性腸症候群にしかなったことがない。4つだ。
4つの病しかなったことがない男が、4万の病に効く温泉に入るのだ。
4vs40000。
かなうわけがない。
圧倒的かつ究極的に癒された。
四万温泉には、温泉旅館のほかに、公衆浴場や足湯がいくつかある。
今回は四万やまぐち館の温泉を堪能するので精一杯だったが、また来た時はそちらにも入ってみたいと思う。
ところで、露天風呂に入浴中、ある事件が起きた。
私はボーッとすると物語を妄想する癖があるので、入浴しながら渓流の景色の上に人物を登場させて、弓矢を使う男とゴリラの5倍くらいの体格の男が戦うシーンを思い描いていたのだが、そこに、若い男性が温泉に入ってきて、私の隣に陣取った。
その男性も景色に感嘆し、温泉に癒されていたようだが、なかなか出ていかない。
私は、温泉やサウナでは密かに意地を張ってしまう性質なので、表向きのほほんとしながら、心中では「この男より先に湯を出てなるものか」と牙を剥いていた。
しかし、なかなかこの男性もしぶとい。
歴戦の猛者と見える相手では、私もすぐに諦める。たまにジーッと座り続けて動かない仙人のような人が温泉にもサウナにもいるものだ。
だが、年の近い相手には、負けたくない。
グッと堪えて湯に浸かる。
敵もさるものである。顔を擦りながら「う〜ぅ」とか「あ゛〜」などと言って温泉を楽しんでいる。
これはもう勝てないかと半ば諦めかけたとき、唐突に敵は立ち上がり去っていった。
勝った。
私は汗だくになりながら勝利を我が物とした。
すぐに後を追っては格好つかないので、もう少し浸かる。
温泉を心から堪能して勝利をも獲得し、浴場を出た頃にはもう1時間ほど経っていた。
待ち合わせのロビーでははなちょが待っていた。
一旦部屋に戻ったのが17時50分頃であった。
すぐに夕飯だ。
気づいてみると、お腹ペコペコでお腹が背中まで凹んでいる。
お腹が圧縮され過ぎてブラックホールができそうである。
次回へ続く
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