人は皆、ブランドに踊らされている【選択の科学】

心理

 

 本書では、私たちが普段”選択”をする時、どれほど有益でない情報等に踊らされているかがわかる調査が紹介されています。ここでは、本書に記載されている調査を3つ紹介します。

 

 

調査1

 通行人にミネラルウォーターと水道水をどちらかわからないように飲んでもらって、どちらが美味しいか答えてもらうという調査が行われました。

 結果、75%の人が、水道水の方が美味しいと答えました。

調査2

 オシャレなレストランで、俳優を「水ソムリエ」に仕立てあげ、何も知らない食事客にミネラルウォーターのメニューを見せます。

 メニューには、「マウント・フジ」「ロー・デュ・ロビネ」などといったそれらしい名前が並び、高いもので7ドルもするメニューを用意しました。このメニューは実際には存在せず、用意されているものは、レストランの裏庭の蛇口から汲んできた水道水です。

 この水道水を、食事客に提供し、反応を見るという調査です。

 水ソムリエは、食事客に「天然の利尿剤、抗毒剤です」と説明しながらオススメしました。この説明は、水道水にも言える当たり前のことなので、ウソではありません。

 水を注文した客には、ボトルから水をグラスに注ぎ、残りのボトルを氷の入ったワイン・クーラーに入れて、テーブルの隣にうやうやしく置きました。

 その水を飲んだ食事客は、水道水より明らかに美味しく、さわやかで口当たりがいいと絶賛しました。

調査3

 ワインの初心者に、値段の違う5種類のワインを試飲してもらい、味を評価してもらうという調査が行われました。

 まず、目隠しして、値段の違いがわからない状態で試飲してもらったところ、味の評価に大きな違いはありませんでした。

 次に、目隠しをせず、値段が付けられた状態で試飲してもらうと、高価なワインほど評価が高くなりました。ところがこの時のワインは、協力者には内緒で、同じワインに5種類の値段を付けたものでした。それなのに、高い値段が付けられたものほど、高い評価が付けられたのでした。

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 上記の調査結果からわかることは、冒頭でも書いたように、私たちがどれほど有益でない情報に踊らされているかということです。

 自らが精通していないことに関して”選択”をする時には、どうしても外部からの情報を手掛かりにする必要があります。

 しかし、巷には、企業の誇大広告や、自分自身の勘違い、既成概念、はたまた故意に与えられた誤った情報など、有益でない情報が溢れています。

 多くの人が毎日口にしている水一つとっても、水道水かミネラルウォーターかを飲んだだけで当てることは難しいのです。そもそも、どうして一般的にミネラルウォーターの方が水道水よりも”良い”とされるのか、その違いはなにか、その判断に係る情報さえ、まともに与えられていないと言えると思います。

 そんな風に考えると、”選択”することは常に暗闇を手探りで行くようなものです。

 ブランドに踊らされることも、仕方のないことのように思えます。 

 


 

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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それでは、また別の記事でお会いしましょう。

 

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