孫子の兵法に以下の一文があります。
「尽く兵を用うるの害を知らざる者は、則ち尽く兵を用うるの利を知る能わざるなり」
つまり、何がどうなると負けに繋がるのかを知っておくことで、勝つための方法を見つけられる。ということを言っている一文です。
負けについて学ぶ重要性
投資・投機の本を読んでいるとよく出てくるのが、勝ちパターン・負けパターンについての話です。
中でも、著者が独自の手法で多額の利益を得たという類の本は大量にあります。
しかし、そういった本を購入して、その著者の手法を真似して勝てる人はあまり多くはいません。
というか、ほとんどいません。
他人の勝ちパターンを真似しただけで勝てるようになるなら、億万長者だらけになっているでしょう。
「勝ちパターンを学んでその通りにすれば勝てる」
言葉の上では全くその通りで、難しくないことに思えますが、これが現実の世界では通用しない。
逆に、長年にわたり投資・投機の世界で生きてきた人の著書は、勝ちパターンを絞って書いているものがあまりなく、負けパターンについて書いているものが比較的多くあります。
長く勝負の世界に生きている人は知っているのです。
勝つためには、「負けを学ぶ」ことの方が大事だと。
勝ちに真っ直ぐ向かうことは難しい
勝ちパターンしか知らないことは、メリットもあればデメリットもあります。
愚直にその勝ちパターンを実践さえできれば、勝てるという単純だけど大きなメリットがあります。
しかし、その勝ちパターンから一歩外れた時に、身動きが取れなくなるというデメリットもまた大きいです。
森の中を歩いているところを想像するとわかりやすいです。
「この通り歩けば目的地にたどり着く」という知識だけで森の中を歩いていて、ふいにその道を外れてしまったとき、聞いていた目印がないとどちらに歩けばいいか全くわからなくなります。
さらに、実際の勝負の世界は固定されたシチュエーションで構成されているわけではなく、常に変動しています。
その中で、勝ちパターンを真っ直ぐに実践するのは思うより難しいものです。
負けパターンを知っていることのメリットは、道を外れても、どっちに行ったらいけないかがわかることです。
負ける方向に向かわなければ、それは勝つ道を歩くことと同じです。
まとめ
負けを学ぶことの重要性を考えていた時に、冒頭の孫子の兵法の一文で出会ったので、この記事を書きました。
「失敗から成功を学ぶ」という意味の言葉は世界中にありますが、かなり真理だと思っています。
成功だけ納めていく漫画の主人公のような生き方が「成功の黄金パターン」と考えている人からすれば、卑屈に聞こえる話かもしれませんが、現実の人生は負けを多く知っている人ほど勝てるものだと思っています。
参考書籍
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