私たちは、生活や仕事のあらゆる場面で、常に「不安」を感じながら生きています。
不安には、「良い不安」と「悪い不安」があります。不安を解消するには、自分が感じている不安が、そのどちらなのかを知ることが大切です。
良い不安
ここで私が良い不安と言っているのは、自分が感じている不安のことです。
自分が感じている不安というのは、その不安要素を解消するための原動力を生み出す力があります。
不安を解消する、ということは、良い方へ向かうわけですから、不安とは、裏返して言うと、ポジティブな感情だったりもします。
悪い不安
一方、悪い不安とは、他人が感じている不安を、自分が感じてしまっていることを言います。
少し変な言い方で、伝わりにくいかもしれません。つまりは他人の不安です。
例えば、大学受験をするとき、自分が「合格したい。でも、今の学力では合格できないかもしれない」と考えることからくる不安だけであれば、その不安は、「今の学力では合格できないかもしれないから、もっと勉強して準備しよう」とポジティブに考えるための原動力になります。
ところが、このとき、別の不安をしょい込んでしまっている可能性があります。
それが、他人の不安です。
この場合で言えば、親が感じている「この子が志望校に合格できなかったら、その後の人生が良くないものになってしまうかもしれない」「国公立ならいいけど、滑り止めの私立だと学費が高くて困る」などという不安です。
こういう不安は、親が外に出していないと思っていても、必ず本人にも伝わってしまうものです。
本人は、親が感じている不安を、感じてしまっています。
しかし、その他人の不安は、自分では解消することができません。不安が不安のまま、その子を抑えつけて足を引きずります。
自分の不安のように、ポジティブに行動するための原動力に変換できないので、他人の不安は、ただただ不安を不安のまま感じながら、やっていくしかありません。
そういう意味で、他人の不安というのは、悪い不安なのです。
悪い不安の対処法
では、悪い不安の対処法はあるのか?
悪い不安とは、他人の不安です。その人に「不安を感じないで」と言っても無駄でしょう。
まずは、自分が今感じている不安が、「自分の不安」なのか、「他人の不安」なのかを区別することが大事です。
なにが不安なのか、なぜ不安なのか。それを考えていくことで、不安が区別されます。
不安が区別されることで、「他人の不安」が見えてくると、人は不思議と、それを切り離して、自分の不安にだけフォーカスすることができます。
なにがなんだかわからない、感情が渦巻いている、漠然と不安な状態で、他人の不安を切り離して気にしないようにすることは難しいです。
まずは、自分の中の不安を区別することが大事です。
本書では、いろんな種類の不安、いろんなレベルの不安に気づき、ピックアップし、区別し理解することの大切さが繰り返されています。
そして、その作業を手助けしてくれる「魔法の言葉」がたくさん紹介されています。
漠然とした、混然とした不安の渦を前に、「魔法の言葉」を唱えることで、心が整理され、その不安たちが勝手に整理されていく・・・そのような体験談とともに、「魔法の言葉」の紹介が載っています。
つまりは、気づきです。状況に応じた言葉を唱えることで、自分で考えるだけでは気づけなかった不安に気づくキッカケになってくれるということだと思います。
人に備わっている本来の心の力は偉大です。
立ち向かうものを明確にしてしまえば、あとは小手先のテクニックなどは必要なく、自然と解決に向かってくれます。
自分の力を信じて、まずは、自分の中の不安を整理整頓すること、これが不安の解消法だと思います。
本書を読んで、不安をコントロールするための「魔法の言葉」を手に入れてみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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それでは、また別の記事でお会いしましょう。
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