相手に何か伝えたい気持ちや感想などがある時、直接その相手にそのまま伝えても、信じてもらえなかったり、嘘くさいと思われてしまう場合があります。自分が伝えたいことに絶対的な信憑性を持たせて、相手の心に刷り込むような伝え方をするには、本書で紹介されている「言わないでトーク」を使いましょう。
鶴の恩返しの心理
ここで紹介する「言わないでトーク」とは、要するに「鶴の恩返し」に出てくる「のぞいちゃうおじいさん」の心理を逆に利用するテクニックです。
鶴の恩返しという民話については、皆さんご存知かと思いますが、ストーリーを簡単に紹介します。
1 おじいさんが鶴を助ける。 2 おじいさんの家に美女が訪ねてくる。(正体は鶴) 3 美女はしばらくおじいさんの家で暮らす。 4 美女はお世話になったお礼に、反物を織るけど絶対に見ないでと言う。 5 おじいさんは我慢できなくて見ちゃう。 6 正体がばれた鶴は、飛び去ってしまう。
この「鶴の恩返し」を子どもの頃に読んで、誰もが「何でのぞいちゃうんだよおじいさんっ!!」と憤ったと思います。
しかし、人には「絶対にしないで」と言われるとしたくなる心理があるのです。このおじいさんだけではありません。この心理を逆に利用するのが、「言わないでトーク」です。
「言わないで」と言うことで言わせる
誰でも、「ここだけの話なんだけど・・・」とか「誰にも言わないでほしいんだけど・・・」と言われ、思わず誰かに言いたくなったという経験があると思います。
「絶対にしないで」と言われるとしたくなる心理を利用することで、逆に、伝えたいことを他の誰かに伝えてもらうことができます。
例えばAさんに対して、日頃感謝している気持ちを伝えたいとします。しかし、面と向かってそんなことを口に出す間柄でもないし、直接伝えれば冗談かなにかだと思われてしまう恐れがある場合、第三者のBさんを利用します。
Bさんに対して、「他の人には言わないでほしいんだけどさ、Aってほんと良い奴だよな。俺、実はいつも感謝してるんだ。まぁ、Aには絶対言えないからさ、ここだけの話にしてくれよ」と伝えます。
そうすると、「言わないで、ここだけの話にして」と規制を受けたBさんは、「誰かに言いたいな」という心理が働いてしまいます。
この状態でBさんがAさんと話をする機会があれば、そのことを伝えてしまう可能性が高いのです。
絶対的な信憑性が付加される
このテクニックの真髄は、上記のような伝わり方をすると、信憑性が格段に高まるというところにあります。
想像してみてください。知り合いに直接、「お前には感謝してるよ」と言われるのと、別の知り合いから「あいつ、お前には感謝してるっていつも言ってるよ」と言われるのでは、感じる真実味が全く違いますよね。
誰かを褒めたいとき、ポジティブなメッセージを届けたいときなどは、本書で紹介されているこの「言わないでトーク」を活用して、より効果的に相手に伝わるようにしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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それでは、また別の記事でお会いしましょう。
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