人間が情報を処理したり意思決定をしたりする能力には限界があり、一度にだいたい7つのことしかできないという法則があります。これを「マジカルナンバー7」といいます。
新しい思考や情報は、脳に入ってきてすぐに長期記憶として格納されるわけではなく、仮の場所に置かれます。これは「作業記憶」として知られているもので、現時点で意識の中にある雑多なことを格納しておく脳のシステムです。
一時保管場所ということですね。ここまで読んだくださった皆さんは、ここでいう「作業記憶」という言葉の意味について、まだ読んだばかりなので、「現時点で意識の中にある雑多なことを格納しておく脳のシステム。一時保管場所」と憶えていると思いますが、1週間後、1か月後に思い出そうとしても、だんだん思い出せなくなっていると思います。
パソコンでいえば、「長期記憶」=「ハードディスク」、「短期記憶」=「メモリ」です。
新しい思考や情報は、一度短期記憶に置かれ、その後、長期記憶に格納するか忘れるかの処理がなされます。私の場合、「これは憶えるぞ!」と思っている時の方が「忘れる」処理がされがちです。ほとんどの情報が長期記憶にはいかないようになっているので、脳にエラーが発生しているのだと思います。
そして重要なことは、この短期記憶の容量がどうやら「7」しかないようだということです。この容量には個人差もあって、5個しか記憶できない人もいれば、9個まで憶えられるよという人もいるようです。
それにしても容量「7」とは、あまりにも少ないと思えますが、携帯の電話番号11桁だって簡単には憶えられないのだから、確かにそれくらいしかないのでしょうね。
さらに、この容量「7」の短期記憶にいれた情報には時間制限もあり、ほんの数秒で気が散ったりすれば、まったく保持できません。
試しに、数字でも、適当に目についた単語でも、憶えようとしてみるとわかります。確かにだいたい7つくらいを憶えるのが限界です。
マジカルナンバー7については、「記憶力のいい人」も同じです。短期記憶の容量がだいたい7つくらいだというのは誰でも変わらない中で、記憶力のいい人というのは、その短期記憶を上手く使ったり、すぐに長期記憶に保管できるようにしたり、あるいは直接、長期記憶に保管できる方法を実践している人たちのことを言うのです。
本書では、その方法を身に付け、全米記憶力チャンピオンを目指すストーリーが紹介されています。
次回の投稿から、その方法の一部を紹介していこうと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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それでは、また別の記事でお会いしましょう。
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