背筋『近畿地方のある場所について』を読んで

読書感想

どうも、塩ラーメンです。

こんにちは!今回は、背筋さんの『近畿地方のある場所について』を紹介します。この作品、ネット上で話題となり、書籍化されたホラー小説なんです。実録風のドキュメンタリー形式で描かれていて、読み進めるうちに現実と虚構の境界が曖昧になる感覚を味わえます。

あらすじ

物語は、オカルト雑誌の編集者である小沢が、近畿地方の「ある場所」にまつわる怪談や事件を調査するところから始まります。彼はフリーライターの「私」(背筋)に協力を依頼し、二人で情報を集めていくのですが、その過程で小沢が突然消息を絶ってしまいます。残された手がかりをもとに、「私」はさらなる調査を進めることに。読者からの手紙、ネット掲示板の書き込み、インタビューのテープ起こしなど、多様な形式の資料が提示され、次第に「ある場所」に潜む怪異の存在が浮かび上がってきます。

モキュメンタリー形式の巧みさ

この作品の最大の特徴は、モキュメンタリー(mockumentary)形式で描かれている点です。フィクションでありながら、あたかも実際のドキュメンタリーのように見せかける手法で、各エピソードがリアリティを持って迫ってきます。読者はまるで実在する怪異に触れているかのような錯覚に陥り、背筋が凍る思いを味わうことができます。

断片から浮かび上がる全体像

物語は、一見無関係に思える短編エピソードが約20ほど収録されており、それらが少しずつ繋がりを見せ、全体像が明らかになっていく構成です。各エピソードは1~10ページ程度と短く、テンポよく読み進められます。しかし、その短さの中に巧妙に伏線が張り巡らされており、読者は次第に「ある場所」の真相に引き込まれていきます。

読み終えて思うこと

正直、この本を読み終えたとき、現実と虚構の境界が曖昧になる感覚を覚えました。フィクションと分かっていても、どこか実在する場所や出来事のように感じられるのです。ホラー好きの方はもちろん、モキュメンタリー形式の作品に興味がある方にもおすすめです。ぜひ手に取ってみてください。きっと新たな恐怖体験が待っていますよ。

あと個人的に怖かったのは、私はこの作品を初めて読んだはずなのに、なぜかストーリーを知っていたことです。読み進めながら、次の展開が少しずつ頭に浮かんできたので、昔読んだことがあったのかな?と思いましたが、そもそもこの作品がネットに投稿されたのが2023年…読んだことを忘れてしまうほど昔のことではないのです。ではなぜ私はこの作品のストーリーを知っていたのか…

そうか…私ももうすでに…

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