取り決め婚と恋愛婚とどちらが幸せか【選択の科学】

心理

 

 取り決め婚と恋愛婚とどちらが幸せになれるのか、この疑問に対して、インドで調査が行われました。”選択”という側面から見れば、「取り決め婚(お見合い婚)」=「他者による選択」となり、「恋愛婚」=「自己による選択」となると思います。さて、調査の結果、どちらかがより多く幸せを感じているという結果になったのでしょうか?

 

 

 日本で生まれ育つと、取り決め婚という文化はもう過去のもので、現在婚期を迎えている20代30代の人たちはほとんど、結婚=恋愛婚と考えていると思います。私も含めて。

 しかし、一昔前は、お見合いで結婚を決めることが主流でした。個人主義的傾向の強まりにより、日本では現在、9割程が恋愛婚となっているとのことですが、この人生最大の岐路と言っても過言ではない”選択”について、二つの方法のどちらがより、幸福度を高めるのか、あるいは差はないのか。インドで調査が行われました。

 50組の夫婦を対象として、半数は取り決め婚、もう半数は恋愛結婚、そして結婚期間は1年から20年までの夫婦が集められました。

 協力者全員に、恋愛感情の強さを測るための質問に対して、どれだけ自分の気持ちが当てはまるかを、数字で答えさせ、その結果を、【取り決め婚と恋愛結婚】という側面、また【結婚期間の長さ】という側面から分析しました。

 結果は・・・

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 恋愛結婚をした夫婦のスコアは、結婚したての場合、91点満点中平均70点でしたが、結婚期間が長くなるにつれてスコアは徐々に低下し、10年を超えるとわずか40点となりました。

 取り決め婚をした夫婦のスコアは、結婚したての場合、平均で51点と、恋愛結婚の場合よりも低いスコアでしたが、結婚期間が長くなるにつれてスコアは逆に高まり、10年超の時点で68点となりました。

 この調査での結果、恋愛結婚は熱く始まるが、徐々に冷めていき、取り決め婚は冷たく始まるが、徐々に熱くなっていくということがわかりました。

 本書では、要因の一つに、結婚生活の幸福度基準が、恋愛結婚の場合、初めのとおりの愛情を持っているか、で測られるのに対して、取り決め婚の場合は、集団主義的観点等からの義務の達成度で測られることによるとも書いています。

 恋愛結婚は、一番熱いときに結婚してしまうため、相手や結婚生活への期待値が高すぎる状態になってしまうのでしょうね。

 私も現代日本人なので、取り決め婚より恋愛婚の方がいいと思っています。恋愛と結婚は違うものだとも思います。恋愛の単なる延長で結婚を決めてしまうのは早計に過ぎるのでしょう。

 打った鉄がちょうどいい具合に冷めてから、しっかりとした強度を持った折れない鉄になっているか確認してから、結婚を決めても遅くないと思います。

 そして、実際に結婚する前に、相手に自分の親族のコミュニティーに参加してもらって、疑似的に”取り決め婚”の形に近づけるのも、できればやっておいた方がいいことだと思います。結婚前に、自分の親族に「あの人、いい人だね」と、言ってもらえていたかどうかが、その後の結婚生活の幸福度を測る価値基準が、単なる恋愛感情の強さと持続期間の長さだけになってしまうことを防いでくれると思います。

 それにしても、結果として行うことは一緒だとしても、”選択”の手法によって、その後何十年の幸福度の推移が変わってくるというのは、人間心理の面白いところだと思いました。

 

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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それでは、また別の記事でお会いしましょう。

 

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